【JTB対談】戦略と現場の分断を防げ!
デジタルマーケティング奮闘記

Penguin Tokyoでは、クライアント企業のマーケティング業務を支援しています。今回は、Penguin1TokyoがWeb戦略と販売活動を支援している株式会社JTB様との対談という形で、SEOにおける課題と、それに対する取り組みについてお届けします。

Profile

株式会社JTB Web販売部 Data Science Central SEOチーム リーダー 谷口 浩子様

株式会社JTB Web販売部 Data Science Central SEOチーム スタッフ 相原 將人様

Penguin Tokyo マーケティングエグゼキュティブ

勅使川原 晃司

JTB様がSEOを推進する理由

谷口様 「JTBのWeb販売事業のこれまでの経緯をお話ししますと、ある程度の事業規模に到達してもしばらくは、国内のオンライン旅行予約マーケットのシェアを迅速に拡大するために、まずは、SEMやメタサーチ、アフィリエイトといったチャネルに注力し、広告宣伝費を投下してきました。

その後、顧客とのタッチポイントの精緻化、高度化を考えるうえで、オンライン上の様々なチャネルを通じて、お客様へのアプローチ機会をさらに拡大する必要性が出てきます。
多様なチャネルが存在する中、CPA・コストの観点で廉価なマーケティング・チャネル、具体的にはブランドやソーシャル、PR、SEO、メールといったチャネルに、ここ数年はマーケティング予算を傾注する方向にシフトしています。

先述したチャネルの中でも特にSEOへの取組みは、立ち遅れていたこともあり、戦略設計から、改めて立て直す必要がありました。
この状況下でPenguin Tokyoさんに参画いただいたのが2018年の秋。そこから現在にいたっています」

勅使川原 「谷口様が、現在SEOをご担当されるまでのキャリアについて、おうかがいできますか?」

谷口様 「私は11年前にJTBに入社し、営業、メルマガ・CRM、人事などを経て、Webサイト戦略を担うようになり、現在はSEO専任組織に所属しております」

勅使川原 「入社からデジタルマーケティングだけでなく様々な部署で経験を積まれてきたのですね。谷口様がWeb販売部に参画されてから色んな変化があったかと思いますが、昨年、データマーケティングの専門家の福田様がWeb販売部の部長となりました。何か変化はありましたか?」

谷口様 「はい、福田が入り、データドリブンマーケティングが、戦略・設計から、施策レベルでも根付いてきたと感じています。基盤・組織も整い、部内の現場担当者間でも大きな変化を感じています」

勅使川原 「SEO領域でも、何か変化はありましたか?」

谷口様 「そうですね。SEOについて改めて過去の状況を振り返ると、当時は、画面設計・UIの担当者が、個人の力量で、(他業務)の片手間に取組んでいる状況でした。この状況下では、担当者が異動してしまうとナレッジは0にリセットされてしまいます。

時々、SEOの代理店から内部改善指示書をいただいていましたが、対応できる担当者がおらず指示書が山積みになっている、という状態でした。
データマーケティングの専門家である福田が入ることで、組織や人の課題が解消しつつあります」

SEO領域における代理店側の課題について

勅使川原 「社内事情により、担当者が定着しない課題があったのですね。一方で私の経験からすると、代理店側にも課題はあるように思います。特に代理店側で、戦略立案と戦術・実行が分断されていることは、大きな課題だと思っています。」

谷口様 「分断が発生するのはSEOの領域だけでしょうか?」

勅使川原 「SEOに限った話ではありませんが、代理店側で(特に)会社を跨いで、分業がされている領域については、戦略と戦術・実行が分断されてしまいがちで、SEO領域については顕著に問題が現れるように思えます。
たとえば、総合代理店の場合は、広告担当者がクライアントのビジネス課題や戦略をヒアリングし、それに合わせてメディアプランニングをしますが、SEOやデジタル広告ですと、子会社・グループ会社・下請け会社等が担当することがあります。この結果として、SEOの提案内容が戦略とかけはなれたものになってしまうことがあります」

谷口様 「業界の構造もあるということですね」

勅使川原 「はい、SEOに特化した代理店からは様々なSEO施策の提案があると思いますが、上流の戦略とうまくフィットしているケースは少ないように思えます。戦略を踏まえたSEO提案ができるかどうかは、人に依存する傾向があるように思います。」

代理店のコントロールと社内理解の醸成について

勅使川原 「ただ、SEOを進めるにあたっては、やはり外部の専門家の活用が必要になってくるかと思います。どのようなことを心がけていますでしょうか?」

谷口様 「はい、社内のナレッジの都合上、外部の専門家の活用は必要ですが、SEOは特に、アルゴリズムアップデート等、多少なりともブラックボックスな部分があり、結果に対して言い訳ができてしまう領域だと感じています。
どこまでコミットしていただくか、見極めが必要だと考えています。

一方で、弊社ではPDCAサイクルを突き詰める文化であるため、代理店に対しては、PDCAのうち特にPlanとCheck、Actionを明確にご提示いただくことを意識しております。
Doの施策部分については、いずれのSEOコンサルティング会社さんからも、「内部指示書」として立派なものをご提示いただいていますが、むしろその後が追えるか、つまり、PDCA全体で見た場合に、進め方の相性が合うかの見極めも大事だと思っています」

勅使川原 「全体のマーケティング戦略とSEO施策の全体像を理解していただかないといけない難しさがありますよね。社内に対して気を付けていることはありますでしょうか」

谷口様 「SEOの場合、施策を実行してから効果が表出するまでの期間が長いため、社内の理解醸成とそれに伴う予算確保に難しさを感じています。
そういった事情もあり、昨年の下期は、マネジメント層と週1回SEOについてのディスカッションを行うことで、自分自身もマネジメント層もSEOへの理解を深めてきました。
マネジメント層と現場担当者の仲介役として、勅使川原さんに入っていただいて非常に助かりました」

勅使川原 「ありがとうございます。そのために外部パートナーである我々をご活用いただいているのですね」

谷口様 「はい、SEOの立て直し初期フェーズで課題が山積みになっている中で、フレキシブルに入っていただけるのは非常に助かります。私のスキルが足りないのもあるかもしれませんが、マネジメント層への説明が不足しているときに、外からわかりやすく翻訳していただけるので、マネジメントと現場がスムーズにコミュニケーションできています。

また、勅使川原さんについては、社内調整のみならず、SEOの代理店に対しても、仲介役となり、方向性を合わせていただいています。私たちも、方向性のコントロールを意識していますが、彼らに対して、戦略と戦術をすり合わせて頂くには、やはりリソースがかかります。」

JTB様から見た、Penguin Tokyoの評価

勅使川原 「言いづらいかもしれませんが、業務を通じて見えてきたPenguin Tokyoの良いところと悪いところを教えてください」

谷口様 「良いところは、戦略を描き、それを我々現場担当者レベルのTODOまでにしっかり落とし込んでいただける部分ですね。いわゆるビジネスコンサルの会社に依頼すると、戦略を描くことだけで終わり、その戦略すら曖昧になり、現場の業務に引き継がれないこともあるのではないでしょうか」

相原様 「課題やニーズをくみ取って、現場担当者へ落とし込んでいただけるので、我々の業務負荷が軽くなりましたね。やりやすさを感じています」

谷口様 「はい、実務レベルでのコミュニケーションもでき、かつビジネスの全体像や上位概念を理解してくれている安心感はあります」

勅使川原 「今後期待する点はどこでしょうか?」

谷口様 「国内のオンライン旅行予約マーケットの中で、弊社のSEOは競合他社に比べ、まだまだビハインドのポジションです。この状況を変えていくには、まずは福田が先導する『顧客分析』を、SEO戦略にも落とし込み、(戦略に基づいた)施策を打っていく必要があると考えています。

近年、顧客インサイトにフォーカスしてマーケティング企画をすることが、トレンドになっているように思いますが、我々の分析レベルはその次元にとどまらず、より高度化させていきたいです。
もちろん、検索(SEO)以外からの流入にも注力していく必要があると考えています。

そのために、具体的な業務支援のみならず、社内運用フローの体制構築や業務設計、さらには業務を実行するための人材の育成についても、強力な支援を期待させていただいております。他社ではあまりない事例かもしれませんが、弊社のマーケティング全般について2人3脚で歩んでいただければ、と考えております」

相原様 「私は、馴れ合いにならず、常に前へ向いて協働していきたいです」

谷口様 「冗談も交えながら進められていてちょうどいいです。仕事は楽しいほうがいいので。そんなコンサルでいてほしいですね」

谷口様 、相原様、ありがとうございました。

<カメラマン>
岡田雷平